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B.U.Z.頭部 *B.U.Z.頭部 名称 重量 装甲 射撃補正 索敵 ロックオン DEF回復 チップ容量 条件 素材・勲章 GP B.U.Z.-α 490 E(1.32) A-(1.20) C+(210m) D+(60m) A- 2.8 累計バトル時間98000秒以上or累計スコア13875pt以上 ニュード胚×10ニュード群体×5ソノチップ×3 100 B.U.Z.-β 520 E(1.32) A(1.25) A+(300m) E+(40m) A- 3.0 B.U.Z.-α購入 マルチスコアラー/銅x20or ユニオンレベル Lv.15ニュード卵×20ニュード集積体×1カロラチップx1 150 B.U.Z.-γ 500 E(1.32) A+(1.30) D(150m) B(90m) B+ 2.4 B.U.Z.-β購入 マルチスコアラー/銀x20or ユニオンレベル Lv.50ニュード素子×5ニュード融素子x1カロラチップx1 250 B.U.Z.-λ 520 E+(1.28) S-(1.33) B-(225m) D(50m) B 2.5 B.U.Z.-γ購入 マルチスコアラー/金x5ニュード融素子x2ソノチップx3ペンタクル回路x5 350 製作中 B.U.Z.-α B.U.Z.-β B.U.Z.-γ B.U.Z.-λ 頭部パーツ一覧
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霞「あっちゃー、また早乙女先輩だ」 早乙女さんが昨日のように校門の所にいる。 遊佐「制服直した方がいいんじゃない?」 霞「しょうがないなぁ」 しょうがないのか……? 早乙女「ん?霞じゃないか。今日は大丈夫だな」 霞「もちろんですよ」 さっきまでは大丈夫じゃありませんでした。 早乙女「遊佐も遅刻しなかったようだな」 遊佐「二日連続はごめんだからね」 早乙女「いい心がけだ」 霞「それでは先輩方。失礼しまーす」 走り去っていく霞。 早乙女「それではまた教室でな」 遊佐「ああ」 遊佐「おはよう中島」 中島「うっす」 余裕があるといいな。 中島「な、今日も霞ちゃんは食堂なのかな」 遊佐「知らねえよ……」 分かるかそんなもん。それに霞だって友達づきあいあるだろうし。 中島「でもよ、いつもパン争奪戦には参加してるらしいし会えるかも」 遊佐「そういえばそんなこと言ってたな」 中島「だろ、だから今日も食堂行こうぜ」 遊佐「あのなぁ……。ま、いいけど」 動機が不純だと思うけど。 中島「うっし!」 中島「よーし、行こうぜ遊佐」 遊佐「はいはい」 ま、どの道食堂行かないと食べるもの無いんだけどね。 中島「今日は何食おうかなぁ」 遊佐「安いうどんにしとけ」 …… 中島「でもうどんじゃ足りないんだよ」 遊佐「大盛りがあっただろ」 中島「んーそうするかな」 渡り廊下を歩いていると。 たたたたたたたた! 横を走り去っていく人が。 遊佐「霞ちゃんじゃないか」 急ブレーキをかける霞 霞「あ、先輩。ちょっと私パン買って来るから! 待っててね!」 また走って去っていってしまった。 待っててってことは一緒に食べるつもりなのか。 それにしてもまた前がはだけかけてたぞ。 中島「今日も弁当持ってたみたいだけど」 遊佐「ああ。パンも食べるとは思えないよな」 あの細い体ではなぁ。 中島「ま、俺たちも何か買おうぜ。待っててって言われたしな」 遊佐「はいはい」 うどんじゃ何かと交換しにくいしな。何気に霞の弁当を狙っているので交換しやすいものが良い。 かといって昨日食べたAと中島のB(バカ)では芸が無い。 遊佐「んじゃおれはCランチ」 中島「く、俺のうどん(大盛り)より120円も高いじゃないか」 遊佐「気にするな」 何とか目的のランチをゲットして席を確保して…… 霞「遊佐先輩ー、こっちこっちー!」 うおい! 名前で呼ばないでくれ! 遊佐「名前で呼ぶのやめて欲しいな……」 霞「何で?」 中島「じゃあ中島先輩で呼んでいいよ」 霞「そんなことより揃ったし食べよ」 華麗にスルーする霞。やるじゃないか。 遊佐「んじゃ今日も向かい失礼するな」 中島「しくしく」 Bは泣いていた。 遊佐「泣くなB」 中島「俺はN(中島)だよ……」 霞「??」 遊佐「んじゃいただきますか」 霞「いただきます」 中島「以下略」 何を略したのかすらわかんねえよ。 かぱっと霞の弁当が開けられる 遊佐「今日も色とりどりでかわいらしい弁当だな」 やっぱ弁当箱も小さいしなぁ。パン必要ないだろう 霞「今日も交換する?」 遊佐「お、いいの?」 狙ってたけどね! 霞「うん」 遊佐「ほうほう。それじゃあな、そのハンバーグ半分で」 霞「んじゃ私はね……からあげ頂戴」 中島「……」 どうやらうどんでは交換してもらえそうに無いことに気付いたらしい。南無。 中島「はめやがったな……」 はめたつもりはない。 遊佐「へ、馬鹿め」 中島「く、くそう。半分よこせ」 無視する。 遊佐「うん、ハンバークおいしいなぁ」 霞「昨日の晩御飯の残りだけどね」 遊佐「これも霞ちゃんが作ったの?」 霞「そだよ」 と、いうことは晩飯もか……?
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とあるビルの前にて 少女「こんな招待文で人がやってくるとでも思ってるのかな?」 と少女の手には“全ての答えはここにある!!”という文と地図が載ってる招待状がある。 少女の名は“宮下アキ”(アギラ)。 (アギラのオリジナルは“ウルトラセブン第32話「散歩する惑星」”に初登場したカプセル怪獣) アキ「それでやってきちゃったのがボクなんだけどさ…… 最近ボク自身に起きている不思議なこと……」 彼女に起きている不思議なこととは“ケガしてもすぐ治る”“さけぼうとしてしまう”“なぜかとってがとれた”という出来事。 アキ「きっとここならそれを教えてくれるハズ……」 と、セリフの言い終わりと同じに二人の少女とばったり会うアキ。ひとりはメガネをかけていてもうひとりはポニーテルである。 3人「おっ!?」 3人の前にひとりの少女が現れる。 少女「国際怪獣救助指導組織、通称“GIRLS(ガールズ)”へようこそ!」 3人「!?」 少女「怪獣娘の皆さん!」 アキ(これがボク達の出会いだった) 怪獣娘 かいじゅうがーるず~ウルトラ怪獣擬人化計画~ 第1話 私たち!怪獣娘!? 建物内 ポニーテールの少女「まさかあたし達があの怪獣娘だったとはなぁ……」 メガネの少女「そうですね。これでいろんなことが納得出来ました。 ときどき抑えられなくなる感情は、私達が怪獣の魂を宿してるからなんですね」 ポニーテールの少女「そーなんだよ! ええっと……」 メガネの少女は白銀レイカ(ウインダム)。 (ウインダムのオリジナルは“ウルトラセブン第1話「姿なき挑戦者」”に初登場したカプセル怪獣) レイカ「ウインダム……らしいですね。怪獣の名前で自己紹介なんて不思議です」 ポニーテールの少女は牛丸ミク(ミクラス)。 (ミクラスのオリジナルは“ウルトラセブン第3話「湖のひみつ」”に初登場したカプセル怪獣) ミク「じゃああたしはミクラスだから、“ミク”って呼んでね! ……ってこれじゃまんまだよ」 レイカ「ミクさん、可愛くて良いじゃないですか。私なんてウインダムですよ」 ミク「そーだね~……あだ名はウィンちゃんか…………ダム子!」 レイカ「ダム子!?」 ミク「で、キミは……」 アキ「……アギラ」 ミク「じゃあアギちゃんだね!」 アキ「うん……うん……」 少女「私は“ピグモン”って呼んでくださいねー。 じゃあみなさん! そろそろガイダンスを始めるのでこっちに集合~」 (ピグモンのオリジナルは“ウルトラマン第8話「怪獣無法地帯」”に初登場した友好珍獣) ガイダンス終了後 ピグモン「……備品の説明は以上ですー。“ソウルライザー”は変身に欠かせないアイテムなので絶対に無くさないようにしてくださーい!」 ミク「無くした場合は?」 ピグモン「再発行手数料は24,800円になります~」 ミク「女子高生にはかなり大金額!!」 レイカ「でも、このソウルライザーを使えば私達も変身できるんですね?」 ピグモン「そうです~! ああ、でも……」 ミク「じゃー早速やってみよーよ! ……ええーっと、よくわかんなーい、へーんしん!」 と、仮〇〇〇ダーかと思わせるポーズをとるミクであったが…… ミク「あ……り?」 ピグモン「ええと、掛け声だけでは変身できないのです」 レイカ「ダメなんですか?」 ピグモン「はい。自分が怪獣だった時の本能“カイジューソウル”というのですが、それを実感して 人は初めて怪獣娘に変身できるのです~」 アキ「ミクちゃん」 ミク「なに? アギちゃん?」 アキ「……ちょっとカッコ悪い」 ミク「言わないで~~~!」 休憩室にてお茶を入れくつろぐ3人。 ミク「あ~あ、怪獣だった時の本能とか言われてもなぁ~……」 レイカ「映像で見ても分からないモノですねー。いつかは実感する時が来るとピグモンさんはおっしゃいましたが……」 アキ「実感……沸かない」 ミク「だよね~~……」 のけぞるミク。 すると突然爆発が起こる。 3人「!?」 窓から外を覗く3人。 ミク「なんだ!?」 レイカ「外ですね!」 外では爆発が起こり人々は大パニック。 建物から出てその様子を見に行く3人。 ミク「これ、結構ヤバいんじゃない!?」 レイカ「火の回りが早い!」 大きな炎により慌てふためく人々。 アキ「おっ!」 アキが何かに気づき アキ「アレ……」 見上げた先を指さす。 2人「?」 ミク「アレは……」 レイカ「もしかして……!」 ビルの屋上にゼットンがいた。 アキ「ゼットン……」 (ゼットンのオリジナルは“ウルトラマン第39話(最終話)「さらばウルトラマン」”に初登場し、ウルトラマンを倒した怪獣である) ゼットンは瞬間移動をし、炎の目の前に立ちバリアを炎に展開させる。 さらに瞬間移動しバリアを展開させまくり炎を囲い、最後はバリアを収縮させ炎を沈下させた。 事件解決に歓喜の声をあげる人々。 3人「……」 あまりの凄さに言葉を失う3人。 アキ「カッコいい」 3人の方を振り向くゼットン。 アキ「あ……」 しばらくすると、瞬間移動でその場から去るゼットン。 アキ「いきなり『怪獣娘だ』って言われても、やっぱりピンと来ない」 ミク「……うん」 アキ「でも今、ゼットンを見てすごいドキドキしてる」 レイカ「ええ」 アキ「ボクもあんな風になれるのかな?」 ミク「なれるよ! きっと!」 アキ「ミクちゃん……」 レイカ「3人一緒なら大丈夫ですよ!」 アキ「ウィンちゃん……」 ミク「3人で一緒になろうよ! そう! 誰よりも強くてカッコいい、怪獣娘に!!」 アキ「うん」 レイカ「ええ!」 第1話 END
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568 :新板設置について相談中@新板スレ:2008/09/30(火) 23 40 18 ID z46RZp3b0 新板情報です きのこ http //gimpo.2ch.net/kinoko/ …きのこ板‥‥‥きのこ? 569 :新板設置について相談中@新板スレ:2008/09/30(火) 23 48 17 ID cN5Li+pW0 きのこだけにご胞子が得意なんですね、わかります 570 :新板設置について相談中@新板スレ:2008/10/01(水) 01 46 10 ID dLIBC1iE0 だれうま キノコの形状からすごく…おおきいです系の想像をした自分はまだまだですね 575 :新板設置について相談中@新板スレ:2008/10/01(水) 21 49 24 ID QrGOqQVO0 . 570 801「どれどれ、きのこのプロに俺のキノコを鑑定してもらおうか」 vip「うはwww801が早速アップをはじめたおwwwww」 きのこ「ははははどれどれじゃあ二人とも毒味してあげるよ」 vip「アッー!」 こうですね
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歩兵力 裏方力 愛情度 ★★★ ★★ ★★ メイン職業 弓スカ ランカークラス Class B キルクラス Class C デット数 少なめ 所属部隊名 みんな頑張ろう 名言 ちなみに私は擬人化とチャイナ服が好きです 勝ち馬属性 戦闘スタイル 総評 本人への要望 本人より ゲブから流れてきた移民。ルーミアと言うそのままの名前である。 所属がゲブの頃から特に目立った発言も印象もなく、よくも悪くも淡々としている。 また上層部が同じゲブ流転者である薔薇・あすなろとは部隊ぐるみで仲がいい。 特に薔薇とは度々訓練所で対決し、互いによきライバルとしてしのぎを削っている。 良くクラスチェンジをして3職を回っている
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人気商品一覧 @wikiのwikiモードでは #price_list(カテゴリ名) と入力することで、あるカテゴリの売れ筋商品のリストを表示することができます。 カテゴリには以下のキーワードがご利用できます。 キーワード 表示される内容 ps3 PlayStation3 ps2 PlayStation3 psp PSP wii Wii xbox XBOX nds Nintendo DS desctop-pc デスクトップパソコン note-pc ノートパソコン mp3player デジタルオーディオプレイヤー kaden 家電 aircon エアコン camera カメラ game-toy ゲーム・おもちゃ全般 all 指定無し 空白の場合はランダムな商品が表示されます。 ※このプラグインは価格比較サイト@PRICEのデータを利用しています。 たとえば、 #price_list(game-toy) と入力すると以下のように表示されます。 ゲーム・おもちゃ全般の売れ筋商品 #price_list ノートパソコンの売れ筋商品 #price_list 人気商品リスト #price_list
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注意 今日 - ,今まで - この小説は暴力シーンやグロテスクな表現を含みます。 被検体No.33及び被検体No.34に関する経過報告 交渉 監視者 魔手という敵 掴んだ自由への道 再会 化け物という称号 頚 被検体No.33及び被検体No.34に関する経過報告 被検体No.33(便宜上腕と記す)は実験完了後、変化する自分の体に対するショックから解離性同一性障害を発症した恐れがある。 現在確認されている性格は二種類あり(便宜上女性腕と男性腕という形式で記す)、女性腕は腕本来の性格、即ち臆病且つ神経質な特徴がある。 男性腕は女性腕と比べて劇的に狂暴化した性格である。主に壁を破壊するなど、危険な行為が目立ち、注意が必要である。 特筆すべき点は双眸が赤く変色する点である。 なお、呪力開放については後述の被検体No.34より劣ることが確認されているが、強靭な身体能力から繰り出される物理的攻撃における破壊力は現時点で耐えうる物質が確認されていないので極めて注意が必要。 また、鎮静剤の類に一切効果を示させないことも確認されている。 被検体No.34(便宜上頚と記す)は実験に失敗したため近日処分されることとなった。所員の中からただ街に廃棄するだけでも良いという声が上がったが、研究所の存在が知られる恐れと、頚の異常なまでに発達した呪力開放能力から処分が決行されることになった。処分予定日は一週間後である。 以上、被検体No.33及び被検体No.34に関する経過報告を終了する。 交渉 「現状維持不可能! 突破されます!」 間髪無く俺に向かって飛んでくる銃弾を一身に受けながら俺は頚の下を目指す。研究所の奴らは俺を監禁した腹立たしい連中だが、その間何不自由なく暮らさせてもらった恩もある。だから、危害は加えない。これはソロルとの約束でもある。 「頚と俺を黙って解放しな! でないとこの施設が滅茶苦茶になるぜぇっ!」 そうさ、俺はこれでも交渉に来たんだ。頚の処分を止め、俺と頚を自由にする。それだけの要求を所員共が呑めば俺はさっさとこの薄暗い施設を出る。そして風と陽光を一身に浴び、大地に足を突っ張って自由に生きるんだ。 「第五防衛ライン突破! 抑えられません」 「俺は交渉をしに来たんだ!」 「交渉だと?」 この声の主は見覚えがある。たしかこの研究所の所長で、俺達を攫ってきた張本人だ。そしてこいつのせい、いや、こいつのおかげで俺は崩壊個体から脱することができた……そんなことはどうでもいいか。 「所長様直々にお出迎えとは、わたくし、光栄でありますなぁ! ……とりあえず銃を下ろせ。そんなものが俺に通用しないこと、俺の研究をしていたお前なら分かってんだろ?」 「ふっ、そうだな……お前には何も通用しない。なぜならお前は不死身の化け物になったからだ」 「よく言うぜ、お前がそうしたんだろ。俺はお前たちを殺すつもりはない。心まで化け物になるつもりはないからなぁ。交渉に来たんだ」 そうだ、俺と頚が自由にさえなれば、こんなところ、どうなってもいい。俺は自由を手に入れる。金なんかでも、昔の俺の体でも手に入れられない最高の逸品だ。 「なら、私と交渉しよう」 「ほぅ、話が分かるじゃねぇか。で、俺の要求を呑むのか?」 「交渉とは、お互いの条件で折り合いをつけるものだ。私の条件も提示させてもらう」 なるほど、そうきたか。予想できなかったな。自分が化け物と呼ぶ存在と対等に交渉しようとは。だが、向こうの要求によっては素直に従った方が楽かもしれないな。 「いいぜ、要求を言いな! 呑むかどうかはそれからだ」 「我々の目的は魔手の殲滅にある。お前にはそれを手伝ってもらいたい。君は死なない。加えて強靭な身体能力がある。魔手ごとき、造作もなく殺せるだろう」 魔手ってのはなんだ。あぁ、アイツらお得意の便宜上の呼び名って奴か。どうせテロリストかなんかのことだろうよ。 「じゃあ、こっちの要求だ! 俺と頚の自由を確保しろ」 「頚は今日解放しよう。だが、お前の場合は魔手の殲滅が先だ」 「いいぜ。魔手が何だか知らねぇが、皆殺しにしてやるぜ。だがなぁ、俺が外に出ねぇと魔手の殲滅も無理な話だぜ?」 連れて来てくれるってんなら話は別だが、そう簡単に捕獲できるような奴なら俺みたいな奴に頼らずとも殲滅ぐらいできるか。 「頼もしい限りだ。お前には外で戦って貰わねばなるまい。だからお前には魔手を殲滅して貰えるまで監視役を付けさせてもらう。少し待て、呼んでくる」 「さっさと頼むぜ、こんな陰気な場所とっとと出て行きたいんだ」 所長の奴、俺の後ろを見せるとはいい度胸だ。後ろからグッサリってのは思いつかないものか。化け物研究ってのはこう肝が据わってないと務まらないのかもな。 監視者 (遅ぇよ! いつまで待たせんだ!? 俺は帰る! 帰るからな! ソロル交代だ) (分かった。我が出よう) 「ようやく、帰って来てくれたんですね……こう人がいっぱいだと、少し不安です」 「中身が変わったのか。まぁ良い。お前たち、下がれ」 ふん、こうして気弱を気取れば……単純な奴め。まぁ、交渉も済んでいる以上、下手に我の気分を損ねて暴れられでもしたら面倒だと思ったのかもしれんな。 「こいつがお前達の監視役nieonだ。言っておくが、途中で殺して逃げようと思うなよ? nieonは崩壊型再生個体だからな。体の一部が突然崩れることはあっても、ちゃんと再生するし死にもしない」 化け物には化け物をか。しかし、nieonとやらも化け物なら、逃走を図ろうとはせぬものか。 「nieonだ。これから監視させてもらう。窮屈だとは思うが、我慢してくれ」 「崩壊型再生個体とは初めて聞くが?」 「遺伝子ミスの更なるミスさ。崩壊個体と再生個体の両方の性質を持っている。それが崩壊型再生個体だ。ちなみに、アンタの監視、それが俺の自由の対価だ」 なるほど、こいつも収容されていた奴か。つまり所長の戻りが遅いのは一交渉があったからという事だな。 「二人揃って脱走するってことは考えられないんですか?」 「それはないだろう。こんな境遇にしておいてこんなことを言うのは心苦しいが、お前たちの事は長らく見てきた。それなりに信用しているのだ」 ふん、我の本当の一人称も知らぬくせに……尤も、逃げ出すつもりはないからな、この際何と言われようと変わらぬが。 「私たちが戦えば、頚は自由になるんですよね?」 そうだ、頚だって自由を取り戻す権利ぐらいある筈だ。我の家族だからという理由だけで訳の分からない改造をされたんだ。 「それは約束しよう。腹を割った話だが、頚の方はお前のようにいかなくてね、どうしようか困っていたところなんだ」 (ソロル、代われ!) (なんだ、まぁ良い) 「お前、それは全然腹を割った話じゃないんじゃないか? 俺は知っているぞ、頚を殺そうとしていたことを!」 (結果的に頚は助かるのだ、この際別に構わないので……) (そういう問題じゃねぇ! 頚が死にかけたんだぞ!?) 俺だってこういう体になれなけりゃ殺されていたかも知れないんだ。こんな薄暗いところで、何の自由も掴めないままに。そんなことがあってたまるか、可能性の話だけでも腹が立つ。 「知られていたか。最重要機密だったはずだが……まぁ、良い。そこは謝ろう」 「誠意はないが形だけでも許してやる。とりあえず魔手の特徴を教えやがれ! 殺せないだろ」 「その必要はない。今から捕獲した魔手と戦闘をしてもらう。お前のために用意したものだ。遠慮なく殺せ」 はっ、どうせ俺の性能を試すためだろうが。どうでもいいか、どうせ殲滅するんだ。さっさと殺して終わりだ。 「魔手とは二回戦って貰う。お前のもう一つに人格にも戦って貰わねばならんからな」 「さっさと始めろ! さっきも言ったがここからはとっとと出たいんだ」 監視なんて関係ない。俺は外の世界に再び立てるんだ。その為なら魔手なんて訳の分からん名前を付けられた連中ぐらい、とっとと皆殺しにしてやる。 「では、性能試験室に案内しよう」 魔手という敵 へっ、なんだかんだ言いながら結局は性能かよ。 「さぁ、それでは魔手と戦って貰うぞ」 「さっさと来い! 木端微塵にしてやるぜ!」 門が開く、魔手と呼ばれていた物が姿を現した。 「な、なんだこりゃ、テロリストの隠語じゃねぇのかよ?」 「テロリストぐらい、我々の科学力を以てすれば簡単に鎮圧できる。来るぞ!」 魔手……そう呼ばれている人ならざる者、その姿は四足生物のようであり背中に何本もの腕状のものが生えている。そう、まさに魔手だ、いくつもの手がある化け物だ。 攻撃方法を見極めるのが先か……いや、俺は不死身だ。なにも恐れるものはない。名は体を表す、俺の腕を食らいやがれ。 腕を引き千切り呪力を込める。そして一気に距離を詰めて魔手に向かって千切れた腕を振り下ろした。既に俺の右腕は再生している。我ながら本当に化け物になってしまったんだと思う。だが、俺が自由を掴むには化け物の体になるしかなかった。だからこの体、自由のために酷使させてもらうぜ。 「おらっ、化け物野郎! お前に恨みはないが、俺の自由の為に死ね!」 魔手の腕がまとめて吹っ飛んだ。赤くない血、体液という方が相応しいような緑色の血が切れた腕から噴き出した。 「魔手には弱点がある。そこを破壊しない限りは……」 所長が言っている間に変化は起きた。魔手の腕が再生を始めたんだ。それも、さっきの倍の数でだ。俺も化け物だが、腕の本数を増やすなんて芸当はできねぇな。引っこ抜いたら生えてくるが……。 「弱点があるんだったら……最初から言いやがれってんだ!」 こいつは一応生物型だ、つまり頭か胸に弱点がある可能性が高い。だが、 「再生する間なんて与えないぜぇ!」 持っていた腕を思い切り投げつけて新しく生えてきた右腕を引き千切った。右腕が再生した後に左腕も引き千切った。両手に腕を持って俺は魔手に突撃する。 魔手の胸に右腕を、魔手の頭に左腕を、魔手の背中に付いている両腕をそろぞれ突き刺した。 「全部吹き飛んじまえぇ!」 全ての腕に炎の呪力を込めた。腕が熱くなってくる。そして、爆音と共に性能試験室の壁に穴が開く。魔手の姿はない。 「俺以上に体の扱いが悪い奴、見たことないぜ」 (次、ソロルの番だ。お前の力、見せてやれ!) 「少々、遊びが過ぎるような気がするな。nieon監視役としての意見はあるかね?」 「そうだな、できれば敵に回したくない感じだ。まさに破壊神だよ」 「なるほど、では次に行こうか」 (おいおい、意見を聞いた意味があるのかよ?!) 「人間が相手じゃないので、私も遠慮なくやれます」 相手が人間だとこの上なくやりづらいからな。それに、そんな事をしているようでは自分が化け物であると認めたようなものだ。しかし、フラーテルの奴が我との約束を守るとは意外だな。 (聞こえてるぞ、ソロル。俺だって自分との約束ぐらい守るぜ) (そうだな、我らは一蓮托生。関係が悪化していたのでは話になるまいか) 「それでは、次の魔手だ」 今度の魔手は人型なのか……相変わらず腕の本数は多いようだが。少々やりづらいな。ここは攻撃を分析しつつ弱点の位置を特定して一撃で決めよう。それが、人型の化け物に対するせめてもの情けとなろう。 頭を殴るモーションを掛ける。反応は薄い。心理戦が適用するのなら、弱点はここではないな。なら、胸部に弱点があるのが妥当とみるが……。相手の出方を窺う他あるまい。 いや、そういう手もあったな。試してみるか。 「空気のシュレッダーだ。ただし縦横無尽に駆け巡るがな! 存分に切り刻まれろ!」 腕を振り上げる。魔手の周囲の空気に流れが生まれ、鋭い風の線になる。飛び散る体液が風に流されて天井に付着した。 魔手は原型を維持したまま動かない。そして、砂の山が崩れるように消滅した。部屋一面に魔手の粉が漂う。 「なんだと!? お前の呪力は無いに等しい物じゃ……」 「そういう演技でした。呪力を無意味に使うのは好きじゃないですから」 「そうか。nieon……今の感想は」 「……通常兵器じゃ歯が立たないという研究報告を聞いたが……生身で圧倒するとはな。死ねない俺でも恐ろしいよ」 「そうだな。それでは、魔手との戦闘を終了する」 (面倒だな。本体が目覚める前にケリを着けねば、戦えなくなるぞ?) (分かっているぜ。いつまでも抑え込めるものじゃないからな。恐怖心に呑まれたら負けだ) (我らに残された時間はそう長くはあるまい) 掴んだ自由への道 (そうだな。しかし、魔手を殺すとなぜだか心地がいいぜ) (我はあんな気持ちの悪い物とはもう戦いたくないな。反吐が出る) (そうか、日々募った鬱憤を晴らせるんだぞ? それに、どうせやるなら楽しまないとな! 交代だソロル) (分かった) 「俺たちの実力、理解したか?」 「遊びが過ぎるぞ、お前たちにとってはそうかもしれんが、人類の存亡が掛かっているのだぞ」 「いっそ滅んじまえばいいのになぁ」 「貴様!」 まったく、人間てのは銃に頼らなきゃまともな意思表示もできないのか。それとも所長が短気なだけ……いや短気な奴が研究者にそれもトップになんてなれないか。 「冗談だよ。そのオモチャを下ろせ。でないと……さっきの化け物みたいな目に遭うぜ?」 俺がここに来る過程で両親は殺された。化け物でも、魔手でもない。そう他でもない人間にだ。だが、不思議と恨むことはない。一つ恨むのなら、寿命が延びたのではなく死ねなくなってしまった点だ。死ねない命を持つ者をはたして生き物と呼べるのか、死無くして生命は成立するのか。俺はもしかすると、もう生命としては死んでしまった後なのかもしれないな。 「今すぐしてほしい要求は二つある。頚に会わせろ。あと、さっさと魔手共の居場所を教えろ。この要求が通り次第、俺は自由を掴むための道を突っ走るぜ」 「頚はすでに施設の外だ。主に町の郊外や人気の少ないところに頻出するが、特定の拠点は確認されていない。すまないが拠点を見つけて叩いてくれ。それから、これをもっていけ」 所長の持っていた大きな袋が俺の手へと渡る。さっそく中身を見ると包帯が大量に入っていた。そしてその下には大金が雑多に詰められていた。数えるなんて貧乏くさい真似はしないぜ。 「君たちから奪ったものは多い、その謝罪にはならないが受け取ってくれ。そして魔手殲滅の暁には君たちの人権を保障しよう」 「人として生きていけるのか?」 「そうだnieon。法的に化け物呼ばわりや差別に当たる行為をした者を罰する法案が上がっている」 化け物との共存の道か……でも、それは俺たちが本物の化け物じゃないからうまく話がまとまるんだ。違うな、化け物じゃないと思ってくれる奴がいるからなのか。いかんな、俺としたことが少しおセンチな気分になってやがる。俺は暴君であり続けなければいけないってのによ。 「ありがとよ、おいnieon行くぞ」 「その前に包帯を巻いておけ」 「ちっ、分かったよ。nieon巻いてやるから、俺の分を巻いてくれ」 「分かった。だが、俺は遠慮しておこう」 「オーケーだ。じゃ、巻いてくれ」 俺たちは薄暗い施設をあとにした。 再会 「そういえば腕、弟に会わなくてもよかったのか? 会わせろって要求していたが……」 「気が変わった……たった一人の家族に拒絶されるかもしれない恐怖、お前に分かるか?」 「もっと気を使うべきだったな、すまない。だが今は包帯で隠れているじゃないか。怖がられるのは寧ろ俺じゃないか?」 俺は別に会ったって構わない。なんてったって俺は暴君だからな。それに言ってしまえば俺は他人だ。ソロルや腕の方が許しはしないだろう。腕の記憶にある男……頚とは一度会って喋ってみたかったが、叶わぬ望みというところか。 「いいさ。俺らと頚は住む世界が違うんだ。自由にやれているなら、それでいい」 「ところで、さっきからつけられている気がするんだが……」 「どうせ、お前が物珍しいんだろ? だから包帯を巻けって言われたんだ。ほっとけよ。それとも、街中で一騒ぎ起こすのか? いいね。そりゃ、最高だ」 とはいえ、街中で変に目立つのはマズイか。包帯で隠している俺だけでも怪しいのに、右腕右足が真っ赤なnieonまでいるんだ。下手したら治安維持軍の相手をする羽目になるぞ。 だがつけてくる奴がいるというのは腹立たしいな。少し怖がらせてやるか。 「よぉ、俺らがそんなに物珍し……」 (頚ではないか……フラーテル、代わってくれ) (あいよ) 「久しぶりだな……五か月ぶりか?」 「姉さん。本当に姉さんなんだね……口調を変えているのはイメチェン? 包帯は? 大丈夫、怪我をしたの?」 「いや、さっきまではもっと丁寧な口調だったような……」 (俺達の紹介をしろ) (分かっておる) 「大丈夫だ。今代わるフラーテルだ」 「わっ、目が……赤くなった」 頚の驚くことは十分予想範囲だっただろう。目の前で突然文字通り目の色を変えられる。その未知的恐怖、俺にもわからないことはない。 「フラーテルだ。ソロルと違って俺は腕の体を少し借りているだけだ」 「ソロルって?」 「我がソロルと呼ばれておる。腕のペルソナ的存在だと思ってくれ。腕にはしばらくの間眠ってもらっている」 我と彷徨う魂フラーテルが協力して解離した人格いわばオリジナル腕の人格を封印したわけだが。そこまで細かい話をしたところで、理解できるとは思えん。 「ちょっと僕には難しいかな……でも別人じゃないって事は分かる。呼び分けはソロルさんとフラーテルさんでいいの?」 「呼び捨てで構わないぜ。さんなんて付けられたんじゃこそばゆいからな。それとソロルは一応腕でもあるからな、姉貴でも良いんじゃないか?」 「然り」 「う、うん。突然代わるからどっちがどっちだか分かっていても整理が追い付かないよ」 驚いたな。nieonにも我らにも大して驚いていないのか。 (ああ、もうじれったいな。ソロル代われ! 頚と話をしてみたいんだよ!) (分かった) いや、しかし何を話そうか……頚の事は腕の記憶で大体知っているしな。実際に話してどう感じるのか、それでどんな奴なのか最終的な判断を下す。いつも通りのやり方だな。 「頚、背負っているデカい本達は一体何なんだ?」 「あ、フラーテルの方だね。この本は呪術書だってさ。所長さんが出て行くときにくれたんだ。読解できれば時間と生命と創造を操れるようになるんだってさ」 時間に生命に創造って言えば、超が付くほど読解困難で結局存在しているかどうかさえも怪しまれているオカルト的呪術だろ。なんでも時間は文字通り時間を、生命は命を奪うことも与えることも、創造は自分の思い描いたものを作る……そういう呪術だった筈だが。 「分かるのか?」 「ううん、全然。時間は後一文で読解できるんだけど……他のにはまだ目を通していないよ」 「で、最後の一文はなんなんだ?」 「汝へ、時の巡る螺旋にて約束を果たそう」 (ソロル、お前分かるか?) (仮説でもよければな) マジかよ、俺なんて仮説も立たねえよ。 (聞かせろ) (汝はお前と言う意味だからな。たいした意味を持たぬだろう) (それは分かってる) (時の巡る螺旋……恐らく、螺旋がはっきりしないが……) (流行じゃねぇか? 時間が経てば昔の流行が復活したりするだろ) (なるほど、一理あるな。だが、約束はどう説明する?) (……) 分からねぇ。というより、書一つで一つの意味を成す訳だろ、一文だけで理解できる方がおかしいんだ。頚の奴、よくそんなものを考えようとするな。感心だぜ。 (輪廻ではなかろうか。来世で約束を果たす……いや、それでは時の書は来世でしか役に立たぬな) (お前でも分からないか……じゃあ、俺に分かる訳がないな) すっかり諦めて俺は頚の本を覗きこんだ。が、俺はどの文も分かるどころか読むのさえ無理だった。 「この本は古代文字なんだって。だから解釈もいろいろと通りがあって、さっきの文も正しい物なのか分からないんだ」 「勉強熱心なんだな……俺はパスだ。ソロルも見る気がしねぇってぼやいてたぜ」 (勝手なことを……) 「で、なんでつけてきたんだ?」 ああ、そういえばつけてきた奴を怖がらせようとしてたんだっけ。ま、今更どうでもいいが。 「そりゃ、姉さんが……今はフラーテルか。僕を置いて魔手退治なんて危険な仕事を請け負うから心配で……」 シスコン野郎か、それともただの心配性か。どっちだろうな。 (絶対後者に決まっておる!) (だろうな、お前みたいな姉なら好きになる方がおかしいよな?) (そこまで言われると少し癪だが、そんな所だ) ま、姉思いの良い奴ってことにしておいてやるか。今のところは俺の弟でもある訳だ。あまり貶して好感度を下げてしまうのも悪いしな。 「そういえばお前も戦えるのだったな。参加してくれるのか?」 「うん!」 「いいのかソロル、こんなことを言っているが」 「構わん。危険が及ばないように我らが戦えばよかろう。それより、人が集まりだした、ここから離れよう」 「そうだな、それがいい」 nieonの奴には反対だ。魔手なんて化け物と頚が関わって良い訳がない。弟馬鹿だって、違うな。俺の弟じゃない。だが頚が苦しめばソロルや腕の奴が悲しむんだ。何者でもない俺の半身が傷つくんだ。それなのに、ソロルは分かっちゃいない。頚が傷ついた時誰が一番傷つくのかを。 頚は俺達と違って不死身でもない。そんな奴に魔手と戦うなんて無理なんだ。化け物には俺みたいな化け物が相手をすればいい。 化け物という称号 あーあ、結局ついて来ちまったよ……どうすんだ、これから魔手と戦わないといけないんだぞ。 「nieonさんは姉さんたちの知り合い? 仲、良いの?」 「いや、ついさっき知り合った。包帯を巻いてやった仲だ」 「へぇ、そうなんだ。そういえば、所長さんからお金も貰ったんだよ……大体三千万円は入っていたかな」 「おい! あんまり街中で金持ってるって言うんじゃねぇ。ロクでもない連中だっているんだぞ」 結局、ソロルはダンマリ決め込んでいる……俺が体を占領しているからか。お守は俺がやらなきゃならない訳か。まったく暴君が貧乏籤を引くとは、甘ちゃんになったもんだぜ。 「大丈夫だよ。姉さんほどじゃないけど、呪術だって使えるんだから。創造の書は解読できたし……」 『なんだって?』 気が合うなnieon、俺も信じられないぜ。あんな訳の分からん物を読んで意味まで理解するなんて……。お守なんて必要ないかも知れないな。 「凄いんだよ。お腹が空いたりしたら食べ物が勝手に出て来てくれるんだ!」 「そ、そりゃ凄いな」 いや、本当に凄いのは頚の呪術の使い方か。普通武器出したり、金出したり……止めよう、自分が悲しくなってきやがるぜ。しかしいつの間に読んだんだ。さっきから一時間も経っていないんだが。 「それはいいんだが、歩き読みしていると人にぶつかるかも知れないぞ」 「nieonさんの後ろを歩いているから、nieonさんが突然止まらない限り誰かとはぶつからないよ」 それより、ずっと会話をしていたのにどうして本の内容が頭に入るんだ。確か文字を読むだけでも面倒な本だったと思うのだが……。 (ううむ、頚は実験の反動で天才になったのかも知れぬ) (こればっかりは弟馬鹿の発想だと言い切れないぜ) (だから我は弟馬鹿などでは……) さてと、情報収集でもするかな。魔手の目撃情報を辿っていけばいつか拠点にビンゴだ。 「おいオッサン。魔手を見かけなかったか?」 「なんだその魔手ってのは?」 「あぁ、一般では魔手なんて呼び方をしてないのか。腕の一杯生えた化け物だよ」 「化け物ねぇ……そこにいる仏頂面のは違うか?」 nieonか……アイツも素直に包帯巻いときゃ良かったんだ。 「俺は化け物じゃない! 人間だ!」 これはオッサンも悪いがnieonも悪いよな。左の腕と足が赤いのに包帯も巻かずに出歩くなんてよ。 「おい、nieon。オッサンを締め上げるな。お前だって悪いんだぞ? それに、化け物じゃないなら暴力じゃなくて話で解決しろ」 「分かったよ」 まったく、暴君が平和を諭すかね、普通。しかし化け物呼ばわりがnieonの地雷か。覚えておいて損はないな。 「オッサン悪かったな。こいつも体の事でいろいろと悩む年頃なんだ。触れずにそっと見守っといてやってくれ」 「あ……あぁ。アンタ、口は悪いが良い奴だな。そっちのアンタも悪かったな」 「もういいさ、腕のせいで殴る気も失せた」 「アンタ腕って言うのか。変わった名前だな」 「オッサン、アンタの減らず口の多さ、俺が保証してやるぜ。運が良かったな今日の暴君は機嫌がいい」 袋から適当に札を一枚取り出して名も知らぬオッサンに渡す。金遣いが荒いってか、いいんだよ、最悪頚の奴に金を創造して貰えばよ。ありゃ、たしか概念まで創造できるからな。新しい金を開発することだって夢じゃないぜ。ああ、年を取ると発想が悲しくなってきやがるぜぇ。 「これは?」 「礼だよ。情報料だ。俺としては少し学べることもあったんでな」 nieonの地雷……これから旅をしようってんだから押さえておかないと後々面倒になってくる。 「じゃあな」 「あ、ああ。ありがとうよ」 結局、魔手についての情報は手に入らなかったが、まぁいいさ。類は友を呼ぶ。化け物は化け物を呼ぶのさ。適当にほっつき歩けばいつかは魔手にドカンってな。 頚 (ところで、いつになれば魔手にドカンするのだ?) (う、うるせぇ。ドカンする時にドカンするんだ。黙って待っていやがれ) 「ねぇ、フラーテル。フラーテルはどうして自分の事を俺っていうの?」 「それはな、暴君だからだ」 「へぇ……じゃあ、nieonさんも暴君? たしかに、さっきおじさんに暴力しようとしてたけど」 「暴君を自称するバカはあいつぐらいだ。俺は違う」 「ふぅん」 駄目だ。頚の口調じゃ話に興味があるのかないのかがさっぱりわからねぇ。っていうかnieonの奴、俺をバカ呼ばわりかよ。好きで暴君やっている訳じゃ……いや、それ以上は言うべきじゃないな。 「暴君って悪い人だよね? フラーテルは悪い人なの?」 「もちろんだ……そしてそう言う奴はいつか裁かれるべきなんだぜ」 「分かっているならどうしていい人にならないの?」 「それは……」 言葉に詰まった。良い人になったら、本当に俺が良い奴になったら……。 「それは……俺の皮を被った別人だ。俺は根っからの悪人なんだよ。だからやめられねぇ……そう、やめられねぇんだよ」 「フラーテル……なんだか悲しそうだよ。辛かったら……」 「辛くなんてねぇよ。俺は暴君だから俺なんだ」 暴君じゃない俺なら、俺が居る意味なんてないじゃないか。 「そうなんだ……」 暴君じゃなかったら、魔手の野郎どもを殺せないからな。俺は俺にしかできない戦いをする。 (ほう、それなら、我にだけでも語ってみぬか? 暴君で在らねばならぬ理由を) (誰が語るかよ。楽しいから暴君やってんだ!) 俺が暴君で在る理由……それは誰にも……そう、ソロルにも教える訳にはいかない。教えたら俺は戦えなくなっちまうかもしれないから。 「フラーテル。僕はフラーテルの味方だから! だから、困った時には全部相談してね」 頚……思った以上に優しい子だ。だからこそ、俺が守る。 「ありがとよ、頚。困った時は、頼りにさせてもらうぜ」 心からの言葉だった。本音で話したのは本当に久しぶりかも知れない。頚と言う少年、今の俺の弟といるとこんな俺の心でも浄化される気分だ。だからこそ、全てを話すわけにはいかないんだ。 沈みかけた陽が空を赤く焼き付けてゆっくりと沈みゆく。 「よぉし、もう少しだけ街で情報収集すっぞぉ!」 「うん。僕も手伝うよ」 感想、アドバイスなどがあればこちらにお願いします。 拙い文だからアドバイスが欲しいという記事を見たのでここに来てみましたが、……とか!の連続使用を避けているところから見ると、基礎的なところは出来ているようですね。 次はセリフと文の割合に気を使ってみてはいかがでしょうか? 後は不死身になってしまった腕の生き方と魔手の正体あたりが気になります。 個人的に魔手を倒していく小説ではないと感じました。 魔手はストーリーの踏み台で、さらなるストーリーが発展しそうで楽しみです。 アドバイスをしようと意気込んできましたが、いい意味で期待を裏切られることになりました。 応援させて頂きますね。楽しませて頂いています。 -- アリー (2011-05-25 20 45 38) アリー様!!が一つ分の意味しか持てないことや三点とダッシュは基本二つで一組だとかの基本中の基本は一応学んできました。ただ、どうしても表現力に欠ける文になってしまうところが練習不足を感じます。セリフと文の割合に気を使うというのは、今までも試みているのですが、現段階ではどうしてもセリフの割合が多くなってしまうようです。不死身になった腕の生き方と魔手の正体……その辺は物語の核心になる予定です。確かに魔手を倒していく物語ではありません。魔手を倒していくストーリーならもう少し主人公たちを弱体化させなければいけませんので。ストーリーは一応プロットを立てていますが、更なる発展がどこまで望めるのかは期待度にもよりますので、お答えすることはできません。いい意味で期待を裏切れたというのは、今年に入った私の嬉しい出来事五本の指に入ります。ブログからわざわざ来てくださったのですね。応援メッセージ、ありがとうございます。更新頻度には反映できないかもしれませんが、更新意欲にはしっかり反映させて頂きます。 -- ガク (2011-05-26 19 07 49) 頚に会わずに出て行ってしまっている気が……。これは意図的なものですか? -- (ART) ART様今回の更新で分かっていただけたでしょうが、頚に会わずに出て行ったのは意図的なものです。 -- (ガク) 名前 コメント すべてのコメントを見る